ファイナンシャルプランナー(FP技能士、CFP・AFP)

 ファイナンシャルプランナーとは、相談者の立場やライフイベントを考慮しつつ長期的な要望にそった総合的な資金計画を立てて実現に導く専門家です。

 資格の体系は少し複雑です。2つの資格の体系が関連(補完)しあう形になっているためです。

 ファイナンシャルプランナーを本業としない方は、資格の維持のために研修やテスト、年会費が不要な「FP技能士」の取得を目指すのが一般的と思われます。そしてその中でも実務に欠かせない知識を問われる2級以上の取得が一般的に評価されるレベルと思われます。

 

 

 学べる知識


●年金、社会保険、生命保険・損害保険、金融商品、税制、不動産活用、相続・ 贈与に関する総合的で幅広い 知識




 

 資格の概要

(2つの資格体系)


FP技能士CFP・AFPの2つの資格体系があります。

 

1.FP技能士 (1~3級)

 ●国家資格であり一度取得すれば一生有効

 ●1級を受験するには2級に、2級を受験するには3級に合格している必要あり(例外ケースあり )。なお3級受験には特に制限はない。
 ●各級の試験には学科と実技がある 。実技試験は FPの業務分野毎に設けられた複数の科目の中から1つ選び受験する。なお、実技といっても2、3級はペーパー試験である。

 

2.CFP・AFP ※CFPがAFPより上位

 ●日本FP協会が認定する民間資格であり認定継続には資格更新が必要(2年間で所定の単位を研修やテスト等で取得)
 ●入会金(10,000 円)と年会費(12,000円)が必要。上位のCFPは更に新規登録料(5,000円)と年会費(8,000円)が必要。いずれも非課税。
 ●CFPAFP認定者だけが受験可能。CFP認定には6科目の試験合格とエントリー研修の受講、そして3年以上の実務経験が必要。

 

資格の概要

(関連する2資格)


FP技能士CFP・AFPは多くの点で関連しています。

 

(背景)

元々、日本FP協会が認定する民間資格AFP・CFP金融財政事情研究会(金財)が認定する公的資格「金融渉外技能審査」があったが、2002年に「金融渉外技能審査」の代わりに技能検定にFP技能検定が追加された際に、日本FP協会が資格認定のステップにFP技能検定を取り入れ、またFP技能検定の試験機関として日本FP協会が指定され、相乗り状態が始まった。

 

AFPの認定条件 ・・・ FP技能士2級の試験合格+

          AFP認定研修修了

 

CFP資格認定者は、FP技能士1級の学科試験を免除される。


FP技能士2級を受験できる人は、

 ①FP技能士3級合格者 または

 ②実務2年以上の経験者 または

 ③AFP認定研修修了者(※上のAFP認定条件にある

  認定研修とは種類が異なる)


●試験実施機関
 FP技能士 ・・・ 金財日本FP協会
   学科試験1級   ・・・ 金財が実施
            2・3級 ・・・ 両団体が実施
   実技試験 ・・・ 両団体が実施(実施科目が異なる)

 AFP・CFP ・・・ 日本FP協会 

 

日本FP協会の認定資格と技能検定の関係(イメージ)

※日本FP協会サイトより



試験の概要・費用・合格率

(FP技能士)


●出題形式・時間

 

<学科>
1級 【 基礎編 】 マークシート四択式 50 問・150 分

    【 応用編 】 記述式 5 題(15 問)・150 分
2級 マークシート四択式 60 問・120 分
3級 マークシート三択式 60 問・120 分

(1級は金財が実施、2,3級は両団体が実施)

 

<実技>
1級 設例課題に基づく面接。複数の審査委員と対面の

  口述試験。2回実施。「設例」は面接の約 15 分

  前に渡され各面接の所要時間は約12分

 (金財日本FP協会が行う科目は異なる)
2級 記述式(主に選択式)

    金財が行う科目・・・事例形式 5題(15 問)・90分
    日本FP協会が行う科目・・・40問・90分
3級 金財が行う科目

   ・・・記述式(三択式)・事例形式5題 (15 問)・60分
    日本FP協会が行う科目

   ・・・マークシート三択式 20問・60分

 

※学科、実技とも6割以上正答すると合格

※一部合格 2、3 級の学科と実技は合格した翌々年度末まで再受験を免除される。

●受検者数と合格率 2019 年 9,10 月)
1級 学科 10.1%(5,836人) 実技 85.69%(521人)
2級 学科 30.0%(52,306人) 実技 平均48.5%(計43,124 人)
3級 学科 69.6%(49,943 人) 実技 平均59.3%(計47,758 人)


●受験費用 (非課税)
1級 学科 8,900円、実技 25,000円
2級 学科 4,200円、実技 4,500円
3級 学科・実技 各 3,000円


●試験日
1級の実技以外は、年3回実施( 5 月、9 月、1 月)
1級の実技も年3回で他の試験より一月遅れで実施 。

試験の概要・費用・合格率

(AFP・CFP)


AFP

 

認定条件・・・ FP技能検定2合格+AFP認定研修修了

 

●AFP認定研修

 

「AFP 認定研修(基本課程)」
受講修了するとFP技能検定3級に合格していなくてもFP技能検定2級を受けることができる。2級に合格すればAFP資格も取得できる。
受講期間・・・通学で3ヶ月程度、通信で36ヶ月程度
受講料・・・通学・映像通学制では 80,000円~170,000円

     通信制では 22,000円~170,000円

 

「AFP 認定研修(技能士課程)」(FP技能検定3級に合格した人向け)

受講修了すると2級以上のFP技能検定に合格している人はAFP資格を取得することができる。
受講期間・・・1カ月程度の通信講座
受講料・・・認定機関により異なり、8,000円~24,000円位

 

CFP

 

●出題形式・時間
試験数は6科目。すべてに合格する必要あり。なお6課目合格まで時間がかかってもOK! 一度合格した課目はずっと有効。
①金融資産運用設計、②不動産運用設計、③ライフプランニング・リタイアメントプランニング、④リスクと保険、⑤タックスプランニング、⑥相続・事業承継設計
6科目とも四肢択一式 各科目120分

●受検者数と合格率( 2019年 6月)
各科目30%~40%

●受験費用
受験料は 1課目 5,500円。2課目以上の出願時は、1課目毎 4,400円が加算。
エントリー研修を通信研修( e ラーニング形式)の形態で実施。年2回、7月下旬頃と12月下旬頃に2週間程度実施。受講料は無料。