外務員試験一種を受験し無事合格することができました。証券アナリストの勉強をしていたため参考にならないと思われるかもしれませんが、実はそうでない部分が多かったのでその辺りを含めてできるだけ具体的に振り返ってみたいと思います。
勉強を開始するにあたり参考書と問題集を準備しました。普通大体1冊2,000円位します。私はあまりお金を掛けたくなかったので、ブックオフで2年前のものを安く購入しました。参考書1冊、問題集2冊(二種範囲のもの1冊、一種で増える範囲のもの1冊)の計3冊を用意しました。でも勉強していく中で法律や市場の取り決め等で内容が変わった点が幾つか見つかり、テキストや問題文を読む際にいちいち注意しなければならなかったため、外務員の試験に関しては最新の教材を購入されることをお勧めします。
それから、問題集には模試のDVDが付いているものがいいです。本番の試験はパソコンの画面に表示された問題に対して回答を選択する形式です。マークシートや記述式の筆記方式とは勝手が違います。これに慣れておく方が落ち着いて問題を解き進められるため、事前に模試を経験しておくことを強くお勧めします。
外務員の試験では証券営業に必要な基礎的かつ実務的な内容がその対象です。商品に関する知識、具体的には株、債券、投資信託、信用取引(一種のみ)、店頭デリバティブ取引(一種のみ)があり、これらに関する知識はアナリストよりむしろ外務員の方が多く求められます。また、金融商品取引法や取引所ルール、日本証券業協会自主規制ルール、証券税制なども対象でこのあたりは新たに勉強しなくてはなりませんでした。
アナリストの勉強が役に立ったと思えたのは、財務諸表や企業分析、先物取引・オプション取引(一種のみ)くらいです。
まずセオリーどおり、参考書を読むところから始めました。私は家で勉強するのが苦手なので通勤時間を使いました。最初のころはスマホでいつも見るものを見たり日課となっていたゲームをした後の残り時間を使う程度だったため、450ページを読み終えるのに4ヶ月位掛けてしまいました。読みながら我ながらにこのペースは遅いなと感じたので途中からゲームは自粛しました。参考書には自分が不得手と感じた部分にはマークをしました。
参考書を半分くらい読み進めたあたりから自分用の弱点ノートを作り始めました。弱点ノートとはその名の通り自分の弱点のみが書いてあるノートで、試験前に何度も読み返して自分の不得手な部分や覚えきれていない部分をマスターするために使うものです。途中で足したり書き直すことがよくあるので私は手書きでなくExcelで作ります。当然通勤時にはできない作業のため週末家でやることがメインになります。弱点ノートは作るのに時間がかかるため作らずに参考書の弱点ポイントに付せんを張るなどして後で読み返す人もいると思いますが、試験直前の短期間に集中して復習するにはノートの方が効率がよく、また参考書だと手でいろいろと書き足さなくてはならないため、私は弱点ノートを作る派です。アナリストのときも作って試験前に使いました。弱点ノートには参考書を読んでマークしていた部分を反映していきました。参考書の説明では表面的すぎて仕組みや背景がよく理解できない部分が結構あったためネットで調べながらの作業となりました。仕組みや背景が分かれば理屈が理解できるため覚えるのも容易になります。またネットで調べたことはノートにコピペできるためノート作りも少し楽になりました。
参考書を読み終わると次に2種範囲の問題集に取り掛かりました。これは3週間程度で終わりました。ここでも間違えた問題など弱点と感じた部分にマークをし、弱点ノートに反映しました。そして2冊目の問題集(1種範囲)でも同じように弱点と感じた部分にマークをし弱点ノートに反映しました。2冊目の問題集は2週間半ほどで終わりました。
その後の通勤時間は弱点ノートをひたすら繰り返し読むことに使い、自宅では新たに見つかった弱点のノートへの反映を行いました。模試もその合間にやりましたが試験日が迫り思っていたほどできなかったのでその点のペース配分を少し悔やみながらの受験となりました。私は個人的な都合で余裕を持った試験日設定ができなかったのですが、試験は最短1週間前に申込みできるため(といっても申し込み状況によっては受験したい会場の希望日時がすでに満員で申込みできないこともあるので、混み具合はネットで随時確認できるので、少し前から込み具合を確認しながら一杯になる前に申し込むようにしてください)、本来であれば十分準備ができたと思ってから申込み受験されることをお勧めします。
私は新宿で受験したのでその会場のことしかわかりませんが、指定された試験開始10分前ギリギリに行くと、窓口で申込み手続きをして指定されたロッカーに荷物を入れるのが慌ただしいのでもう少し前に行かれることをお勧めします。
試験ルームに入ると前と両脇が仕切られたブースが並んでおりパソコンが1台ずつあります。座る席は部屋に入る前にあらかじめ指定されます。座るとパソコンに自分のIDなどを入力して、その後、自分のタイミングで開始ボタンを押し、試験がスタートします。残り時間はパソコン上に表示されるので時間配分には常に気を付けましょう。一種は160分で100問なので、25問で40分、10問で16分、のペースとなります。ホワイトボードとマーカーが手元に用意されているので私は最初に隅にそのペースを書いてから問題を解き進めました。ペースに余裕があることがわかれば計算問題などにはじっくり時間を使うことができます。
電卓はパソコンの画面に表示させたものを使います。数字の打ち込みはマウスを使うよりテンキーが早いです。クリアはDELキーやBSキーでは出来なかったのでマウスで行いました。また気になる問題には印を付けて後で見返すことができます。
申し込むときに分かりますが試験の開始時刻は45分おきに設定できます。つまり自分が試験中に新たに試験を始めるために部屋に入ってくる人がいます。また、プロメトリックでは外務員以外の試験も取り扱っているため、他の人は違う試験を受けているかもしれません。自分と同時に試験を開始したのに早々に出ていく人がいても気にせず目の前の問題に集中しましょう。160分は長いです。あと、試験が終わって出て行った人の席に係の人が入ってきて次の準備をしたりもします。気にする必要はありません。
試験が終わって部屋を出ると少し待機するように指示されますがすぐに試験結果が渡されます。ここであらかじめ知っておいた方がいいのは、合格していても「合格」とわかりやすく書いてあるわけではなく、ちょっと長い文章の中に「70%以上の得点があったことをお知らせします」と書いてあるだけで、それよりも先に目に飛び込んでくるのが「外務員の職務は行えません」という太字の文字列です。登録をしないとその職務はできないことを説明する文ではありますが、「行えません」という否定文が最初に目に入るので一瞬不合格と勘違いし小さなショックを受けます。意図はわかりますがこの文面は改善してほしいところです。
以上、受験する方の参考になれば幸いです。
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